詰め換えインクは使い捨てだったインクジェットプリンタカートリッジを詰め替えて再利用する、環境にやさしい製品です。

一口メモ

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修理に出すには 

よくある話ですが、詰め替えを行なった直後、カートリッジが安定していなくて、インク漏れや、1、2枚テスト印字をしてうまく出ないときに、買ったお店やメーカに問い合せをします。
  
この時にプリンタメーカに「詰め替えインクを使ったのですが、うまく印刷されません。」と言います。
私達の経験上、詰め替えのカートリッジを見て担当者は即「詰め替えインクはダメです。修理が必要です。修理はヘッドの交換等で約〇〇円也です。」と99%言われると思います。
  
それは当たり前なのです。プリンタメーカでは自社の純正品以外の使用を認めていません。それは先ず詰め替えインク業者に問い合せをしましょう。

純正カートリッジ

プリンタメーカが製造しているカートリッジで 純正インク、純正インクカートリッジとも言われインクの基準となります。


互換カートリッジ

メーカーの純正品と同じように使用できるようにつくられたカートリッジで互換インク、コンパチカートリッジ、汎用インク、汎用カートリッジともいいます。
純正品と形状は似ていますが【カートリッジの性能・インクの容量・インクの品質】など各社様々です。
使い捨てということを考えると省資源とはいえませんが純正に比べ割安になります。

リサイクルカートリッジ

再生メーカが使用済みの純正カートリッジにインクを詰め替えして再生品化したカートリッジ。再生カートリッジ、再生インクともいいます。

詰め替えインク

使用済みのカートリッジにインクを注入して再利用します。
純正、互換、再生カートリッジに比べ割安で環境にもやさしい商品です。

互換詰替カートリッジ(スタータカートリッジ)

互換カートリッジとして使用後、注入口から簡単にインクを補充できる構造にしてあります。純正カートリッジには再生困難なものもあり、スタータカートリッジは予め詰め替えがしやすくなっているカートリッジです。


染料インクと顔料インクの違い

染料インクに使われる染料は、色材の分子そのもが水に溶ける性質を持っています。

分子の大きさは概ね1ナノメートル(100万分の1ミリ)程度と非常に小さく、色材が水に溶けているため、紙などにも極めて浸水しやすくなります。

インクの溶媒として最も適している水に安定的に溶けるもので信頼性も確保しやすい。

従ってインクジェットプリンタには、初期の頃からよく染料が使用されてきました。

染料はひとつひとつの分子が高率よく光を吸収して鮮やかな発色が得られます。

染料は分子レベルで紙に染み込んでいるので、光や空気中の酸化性の成分によって破壊されやすく、顔料に比べて退色しやすいといえます。

一方顔料インクは基本的に水に溶けない色材を使います。

色材の塊を細かい分子にして、その粒の表面に水になじみ易くする親水化処理を施し水中に分散させたものです。

顔料粒子の大きさは概ね100ナノメートル(1万分の1ミリ)と染料分子の100倍もの大きさです。

これほどの大きさを持つ顔料は、通常の紙の内部に染み込みにくく、紙の表面にとどまるので濃く、くっきりとした色を出しやすいのです。

顔料は色材分子の塊なので、塊の表面の色材分子が少しぐらい破壊されてもその内部にまだ色材分子が控えているため、染料に比べると全体が退色するまで時間がかかり、結果として色彩が長持ちして見えます。

しかし、色材分子が結晶化しているので染料にくらべて色の細かさや鮮やかさが多少劣る傾向があります。

また、顔料の粒子が堆積すると紙の表面が粗くなってしまい、発色の低下や光沢が不自然になる場合があります。

現在 染料・顔料ともそれぞれの欠点の改良が進み、例えば染料インクでも顔料のように退色しずらいものが開発されています。

色について

色はY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、の3原色によって表す事が出来ます(白以外)。

3色を掛け合わせて、仮に赤を刷った場合、同じ配分をしても、各社微妙に色が違います。これは、発色の違いです。(本来のインクの色が、インクメーカによって微妙に違う)

例えば日本では、大日本印刷(DIC)のインクが有名ですが、欧米ではパントーン社が有名です。
BK(黒)は、3原色で表現できますが、色をひき締めたり、文字を印刷する時に、黒1色のほうが効率(印刷スピード)、経済性(1色で表現)等を考えて、黒のインクがあります。

フォトシアン、フォトマゼンタ、フォトブラック、ダークイエロー(メーカによってはライト××などと呼ばれている。)はプリンタでの印刷を綺麗に見せるために、各社工夫して作ったものです。

色の表現

プリンターの印刷はシアン・マゼンダ・イエローの3色で殆どの色を表現できます。ただこの明るい3色だけで黒や暗い色を表現するには非効率的できれいな発色がなかなかだせません。そこでブラックインクを加えることで明るさをコントロールしてさまざまな発色ができるようになります。
ほとんどのプロセス印刷はC・M・Y・BKの4色が使用されています。

次にインクが不足した場合の一般的な色の変化をまとめてみました。

シアンが不足した場合

  • 緑は黄色ぎみになる
  • 紫はピンクがかる

マゼンダが不足した場合

  • 赤が黄色くなる
  • 紫は青みがかる

イエローが不足した場合

  • 赤はピンクのようになる
  • 緑は青みがかる

ブラックが不足した場合

  • 暗い部分がはっきりしない
  • はっきりした黒にならない

(*フォトインクなど色が多くなってくるとメーカーによって判定も微妙なものとなります)

色数は多ければ多いほどいい?

カラー印刷するには基本的には青・赤・黄色それに黒の4色あればできる。
しかし、これにさらに色を増やし6~8色を採用しているプリンターも発売されている。

色数を増やす目的は、大きくわけて2つある。
ひとつには画像の粒状性を軽減することで淡色のインクを追加して滑らかな仕上がりにする。
濃いインクだけではひとつひとつの粒が目立ちやすいので粗く感じることがある。
インクの粒が今ほど小さくなかった頃のプリンタでは問題だった。

しかし最近はインク滴が1ピコリットルとかの極小インク滴で印刷するようになりざらつきを殆ど感じないまでになっている。
もうひとつは表現できる色を増やすということで、淡色インクにくわえてレッドとかグリーンなどを加えた機種もある。
しかしこれらのインクは3原色の補助的に使われるもので、すべてのプリントに効果が現れるとは言いきれない。
高画質が期待できるのは確かだが、ランニングコストが余計にかかったり、印刷物によっては色数を増やした効果がない場合もある。

印刷用紙について

インクジェットプリンタの特長で、インクは水分をかなり含んでいます。
柔らかい紙や、極端に水をはじくものに印刷すると、色がにじんだり、インクをはじいたりして、印刷が綺麗に出来ません。

印刷が綺麗にされるかどうかは、紙の質によることが大きな要因に成っています。

例えば、普通紙と専用用紙で較べると専用用紙の方が綺麗なのは歴然としています。
また、普通紙でも湿気を含んでいるものと、そうでないものと比較すると、湿気を含んでいるものは滲んだりして、印刷結果に大きな差が出ます。
いくら高精細のプリンターでもワラ半紙に印刷すれば綺麗に印刷されません。
この事から、何に印刷するかは、綺麗に印刷する上で重要なファクターなのです。

DPI(ドット・パー・インチ)

画面や、紙の文字や写真は、小さな点(ドット)のかたまりで表されています。
この点が1インチの中に何個あるか。ということです。
例えば300DPIですと1インチの中に点が300個あると言うことです。
この数字が大きくなればなるほど、高精細と言う事になります。

300DPIのデジカメで取った写真を、150DPIのプリンタで印刷したら、プリンタの方が、表現が乏しいので薄く印刷されます。また反対だと、濃く印刷されます。
    
この小さな点を微量のインクを使って書きます。
インクがちょっと多く出たり、少なかったりするだけで印刷イメージが変わります。
また、ヘッドの位置がほんの少しズレていても、インクを落とす位置が変わりますので色具合が変わります。
インク自身の発色よりもこちらのほうが印刷の感じが大きく影響します。

均等にインクが出て、ヘッド位置がズレないようにプリンタを設定してください。

印刷モード

印刷モードの設定は、印刷物をきれいに印刷するための行為で、ドキュメント(文書や写真など作成した書類)の性質や紙質によって設定を変ることです。

文字を印刷するのか写真を印刷するのか?普通紙なのか?専用紙なのか?光沢紙なのか?こういった条件は、印刷をする上で大変重要なファクターで、モード設定が違っているとインクがにじんだり、きれいに印刷されないことがあります。

プリンタのモードは、インクの出具合、ドットの間隔等を印刷の条件にあわせてくれます。

ヘッドのリフレッシング

リフレッシングはカートリッジタンクからインクを吸引して、印字ヘッドまでインクを運びこむ作業です。
いわば、きれいに印刷するためのカートリッジの安定化です。
(電源を切ったまま放置しておくとこれらの作業ができないため印刷トラブルの恐れがでてきます。) 

ほとんどのプリンタは、電源ON時にクリーニングやリフレッシングを行っていますが 機種により定期的にとか印刷の途中でとかさまざまな工夫がされています。
Fax機能がついているものは常時電源が入っているので自動的にクリーニングが行われます。
(またヘッドのクリーニングとリフレッシングの機能が分かれているものと、同時に行うものがあります。)


廃インクエラー

パソコンやプリンタの画面に「内部の部品の調整が必要です」などの表示がでる。あるいは全てのランプが同時に点滅状態になる。
これらは廃インクの吸収量が限界になっている状態です。

インクを排出するヘッドクリーニングは自動的に電源ON・待機中・カートリッジの交換・印刷の途中・あるいは手動などで行われ
その時に排出されたインクはプリンタの中の吸収体に貯まります。
これは純正インクでも詰替えインクでも同じです。

吸収体の交換にはメーカのメンテナンスが必要です。

目詰まりの原因は乾いたインクのせい?

しばらくインクジェットプリンターを使用しないでいると、ノズルからインクが出ないときがある。
いわゆる目詰まり!よくインクが乾いて詰まってしまうといわれています。
殆どの場合クリーニングで改善するのですが、実際に目詰まりでよくあるものに「泡」があります。
インクの吐出を繰り返しているとノズル内部に気泡ができます。
気泡はインクカートリッジから流れてくる場合もあるし、インクの中に溶けこんでいる空気が出てくる場合もあります。
泡の大きさはわずか10μm程度の微小なもので、たいていはインクと一緒にヘッドから排出されます。
ただまれにノズル内に引かってしまってインクが飛ばなくなり目詰まりが起きることがあります。

プリンターを選ぶ時

プリンターを選ぶ時に注意する点は、どういった目的で?どのような印刷をするのか?どんなものが多いか?をまず考えないといけません。
   
A3の紙を使って印刷するから、A3対応のプリンター、ほとんどA4なのでA4対応のプリンタでよい。という判断はされます。これは当たり前です。さらに次ぎの次ぎまで、要素を考えます。

リサイクル可能か?リサイクルの詰替えインクが有るか?又はカートリッジを見て、似た形状のものが有るか?カートリッジの値段は?何cc入るのか?(ボリュームが少ないと、頻繁に詰替えないと行けない)
売れ筋機種か?または、カートリッジは多くの機種に対応しているか?売れ筋機種や、カートリッジが対応している機種が多いものは、カートリッジもインクも豊富にあるといえます。結果ランニングコストが下がります。

バブルジェット方式(サーマルジェット方式)

バブルジェット方式はキヤノンで採用している方式です。
ヒータで瞬時に加熱することによりインク内に気泡を発生させ、インクを噴出させます。
ヘッドの生産コストが安くできるのでヘッドの寿命がきたらユーザー自身で簡単に交換ができます。
熱で劣化しないインクが必要になるなどの特徴があります。

ピエゾ方式

エプソンのピエゾ方式とは
ピエゾ素子に電圧を加えることにより素子を変形させてインクの入った管から押し出し方式です。
熱を使用しないため多様なインクから開発できます。
ヘッドの構造が複雑で生産コストが高くユーザ自身でヘッド交換ができません。
インクに気泡が入るとインクがでてこなくなり、目詰まり現象を起こしやすいので詰め替え時には注意しましょう。

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